
こんにちは。「夫が調べる看護師のセカイ」管理人です。
前回、妻の仕事の過酷さにようやく気づき、「21年目の自由研究」として妻の世界をとことんリサーチしていくと宣言しました。
夜勤のヤバさやストレスについて深く掘り下げていく前に、まずは私の中に一つの根本的な疑問が浮かびました。 私と知り合ってから24年間、妻はずっと当たり前のように「看護師」として働いています。
でも、そもそも「看護師」って何なのでしょうか?
「いやいや、病院で注射をしたり、患者さんのケアをしたりする人でしょ?」 かつての私なら、迷わずそう答えていました。 しかし、彼女たちが持っている「看護師免許」についてイチから調べてみたところ、私の認識は完全に甘かったことに気づかされたのです。
誰でもなれるわけではない「国家資格」の重み。 そして、ペーパーテストだけではない、想像を絶する「免許取得までの道のり」……。
今回の記事では、医療知識ゼロの夫が驚愕した「そもそも看護師とは?」という基礎知識と、その資格の裏にあるエグすぎる実態についてまとめていきます
合格率約90%の罠!?妻が持つ「国家資格」の受験ハードルが高すぎた
そもそも、妻が持っている「看護師免許」とはどのような資格なのか。 改めて調べてみると、これは都道府県などの民間資格ではなく、厚生労働大臣が発行する立派な「国家資格」でした。
「国家資格って響きはすごいけど、実際の難易度はどうなんだろう?」
気になった私は、直近(2026年)の看護師国家試験の合格率を調べてみました。 すると、驚くべき数字が出てきたのです。
【第115回 看護師国家試験(2026年)の合格率】
- 全体の合格率:88.3%
- 新卒者の合格率:94.1%
……正直に言います。これを見た瞬間、医療知識ゼロの私はこう思ってしまいました。
「(あれ? 90%以上受かるなら、意外と簡単に取れる資格なんじゃないか……?)」と。 自動車の運転免許くらいの感覚で取れるものだと、一瞬本気で勘違いしたのです。
しかし、さらに詳しく調べていくうちに、この数字の裏に隠された恐ろしい罠(ハードルの高さ)に気づき、自分の無知を激しく恥じることになります。
実は、看護師の国家試験は「誰でも受けられるテスト」ではありませんでした。 試験を受けるための「受験資格」を得るためには、看護系の大学や専門学校で「最低3〜4年間」の専門教育を受け、決められたカリキュラム(なんと3000時間以上!)をすべてクリアしなければならないのです。
解剖学、薬理学、病理学といった膨大な医療知識の詰め込み。 そして、学生を地獄の底に突き落とすという「臨地実習(病院での実習)」。
つまり、国家試験の合格率が高いのは、問題が簡単だからではありません。 「3〜4年間、血を吐くような思いで過酷な学校生活と実習を生き残った猛者たちだけが受けているから、合格率が高いだけ」だったのです。
その証拠に、働きながら再受験する「既卒者」の合格率は32.3%と、一気にハードルが跳ね上がっていました。学生時代のあの特殊な環境下でしか乗り切れないような、過酷な試験なのだと痛感しました。
現在は9割がいきなり正看護師!?複雑すぎる「看護師への道のり」
■ 9割以上が選ぶ「いきなり正看護師」ルート
現在、看護師を目指す人の約90%以上がこのルートだそうです。高校卒業後、以下の学校へ進学し、3〜4年かけて必要なカリキュラムを修了して、最初から正看護師の国家試験に挑みます。
- 看護大学(4年制)
- 特徴: 幅広い教養と高度な専門知識をじっくり学べます。大卒の学歴(学士)が得られ、初任給がやや高く設定されていることが多いです。
- メリット: カリキュラムによっては、看護師だけでなく「保健師」や「助産師」の国家試験受験資格も同時に取得できる場合があります。
- 看護専門学校(3年制)
- 特徴: 看護師になるための実践的な知識と技術を、3年間で集中的に学びます。
- メリット: 大学に比べて学費が安く抑えられる傾向があり、1年早く現場に出て経験を積むことができます。
- 看護短期大学(3年制)
- 特徴: 専門学校と同様に3年間で学びますが、短大卒の学歴が得られます(近年は4年制大学への移行が進み、学校数は減少傾向にあります)。
■ 激減しつつある「准看護師からステップアップ」ルート
現在では准看護師を目指す人は全体の10%以下に激減。働きながら(あるいは学校に通い直して)、さらに数年学んで正看護師を目指すという、非常に努力と根性を要するルートです。
- ステップ: 中卒または高卒 → 准看護師学校(2年)→ 准看護師資格取得 → 働きながら看護専門学校の進学コース(2〜3年/全日制・定時制・通信制など)→ 看護師国家試験
- 特徴: 学費を抑えながら、あるいは医療現場で収入を得ながら正看護師を目指すことができます。(※通信制を利用する場合は、准看護師としての一定以上の実務経験が必要です)。
■ 10代から看護漬け!「最速エリートコース」ルート
5年一貫教育の高等学校(5年制)
- 特徴: 高校課程の3年間と、専攻科の2年間を合わせた5年間の一貫教育で看護を学びます。
- メリット: 中学卒業後、最短の「20歳」で看護師国家試験を受験できるのが最大の特徴です。
■ 他分野から看護の道へ「社会人・大学卒業者」ルート
すでに社会人として働いている方や、別の分野の大学を卒業した方にも開かれたルートがあります。
社会人入試・一般入試で進学
- 看護専門学校や看護大学には「社会人入試」枠を設けている学校が多くあります。
学士編入(大卒者の場合)
- 4年制大学をすでに卒業している場合、看護大学の2年次や3年次に編入できる制度を設けている大学もあります。
私が一番衝撃を受けたのは、@lkjb高校からのルートです。 わずか15歳の時点で「人の命を預かる」という重い責任を伴う職業に就く覚悟を決めているのです。 私が仕事のことで悩み、挫折を経験して右往左往していたのは30代になってからでした。私が呑気に過ごしていた学生時代から、彼女たちは「看護師として生きる」という真っ直ぐでブレない芯を持っていたのだと気づかされました。
(※ちなみに私の妻は、高校は看護科がある高校へ進学して准看護師の資格を取得。その後看護専門学校を卒業し正看護師になりました。)

気になる「給与の差」は?学歴と資格で決まるリアルな壁
ルートが複数あるとわかりましたが、そこで夫として気になったのが「給与の違い」です。これも調べてみたところ、主に2つのポイントで「違い」があることがわかりました。
① 「学歴」によるスタート時の差 基本給のベースとして、「4年制大学卒」は「3年制専門学校卒」よりも数千円〜1万円程度高く設定されているケースが多いようです。ただ、数年働いて経験を積めば、基本給よりも「夜勤回数」や「手当」のほうが給与に大きく影響するようになります。
② 「資格」による越えられない壁 私が調べていて胸が痛くなったのが、「正看護師」と「准看護師」の給与格差です。
実際の医療現場では、正看護師も准看護師も、患者さんから見れば同じ「看護師さん」です。夜勤もこなし、同じように命に関わるケアを行っています。 しかし、免許の発行元(国か都道府県か)や法律上の違いがあるだけで、毎月の基本給やボーナスに明確な差をつけている病院は少なくありません。
「同じように命を削って働いているのに、資格の壁で給与が変わる」 これが、准看護師の方がどれだけ過酷な現場であっても「働きながら正看護師を目指す」といういばらの道を選ぶ、最大の理由の一つだったのです。
知れば知るほど頭が上がらない「看護師」という職業
今回は「そもそも看護師とは?」という基礎的な部分を調べてみましたが、医療知識ゼロの夫にとっては、想像を絶する驚きの連続でした。
スタートラインに立つまでの過酷な努力。女社会での人間関係のストレス。ギリギリの人数で回すプレッシャー。そして、資格や制度の壁。 「看護師」という世界は、単に資格を取って終わりではなく、そこから先もずっと「自分との戦い」が続く場所なんだと痛感しました。
この事実を知った今、夜勤明けでリビングで泥のように眠る妻の姿を見ると、本当に「お疲れ様。いつもありがとう」と心の底から思います。
さて、次回はいよいよ、私が一番気になっている「夜勤のヤバさ(2交代制・3交代制)」について、さらに深くメスを入れていきたいと思います。 過酷な現場の実態とは!?次回もお楽しみに!

